アジアンビートカンケリキッズ

アジアの子供はほとんど裸足だ

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[note] 武勇伝

ボクは小学生の頃、とても不思議な感覚を覚えた。その感覚を今日まで引きずって来たからこそ今の成功があるのだが、子供のボクにとってそれは戸惑い以外の何物でもなかった。しかし父の「自分に正直であることが成功の鍵だ」という教えに従い、ボクはこの感覚を天からの贈り物だと思えるまでになった。

あれは太陽が真上から睨み付ける暑い日の午後だった。友達は嬉しそうに衣服を次々と脱ぎ始めている。しかしボクは、憂鬱な気持ちが手枷にでもなってしまったかのように、じっと俯いているばかりだった。そんなボクを気遣う先生に体調不良を訴え、またもボクは苦痛から逃れることを選択した。午後の授業はプールだった。

ボクは泳げない。そのことが重度のコンプレックスとなり、人前で練習をすることを避けてきた。しかしプールというものは一人で使えるようなものではない。自ずとプールの授業をも避ける結果になった。去年の夏、放課後に練習する時間を設けることを提案してくれた担任の先生も、返答に詰まるボクを見て諦めてしまった。もう少し粘ってくれていれば今頃は泳げていたかも知れない。いや、恨むべきは自分自身だ。

どうしてプールサイドの地面はこんなにもゴツゴツしているのか。体育座りで縮こまっている生徒のお尻のことも考えて欲しい。かといってサボっているボクが足を崩すなどもっての他だ。仕方がない、時間差でお尻の左右片方ずつに重心を掛けることで妥協しよう。そう思って水面に浮かぶ葉っぱのようにゆらゆら揺れていた。

「どうしたの?」夢想に夢中になっていたボクは突然の声に驚いた。声の主は隣りに座る男の子だった。「トイレ?」「ううん、お尻が痛くて」ボクが答えると、彼は「このイボイボ痛いよね」と笑った。彼はとても肌が白く、線が細かった。言葉を交わさなければ女の子だと思っていただろう。そんなことを考えたらなぜか頬が火照ってしまった。

ボクは彼と雑談をした。好きな食べ物、嫌いな授業、趣味や特技。どれも他愛のない話だ。しかし授業が終わる頃には、その時間が他の何よりも充実した、何にも代え難いものに思えていた。「次も休む?」これでは仮病を白状しているようなものだと思ったが、彼との一時をもう一度と願うボクは自分の勇気を称賛した。「わからないよ」彼の言葉に少し泣きそうになってしまった。もしかしたら泣いていたかも知れない。

放課後、彼のクラスを覗いてみたが、既に下校してしまったらしく姿はなかった。明日はもっと話をしたいな。そんなことを考えながら、いつもと違って見える夕日を背負って歩いた。

彼は翌日、学校を休んでいた。いっそボクも学校を休んでお見舞いに行こうかと思ったが、父にバレた時のことを思い、放課後を待った。彼のクラスの担任の先生から住所を訊き、大急ぎで向かう。この時ほど気分が高揚したことはないと思う。病人を見舞うことが、遠足の準備をしていることのように感じるなんて、と自分を恥じた。

彼は眠っていた。彼の母に許しを貰い、部屋に入ったはいいものの、寝息を立てる彼の横に座っているという状況は落ち着かなかった。お茶とお菓子を勧められたが、これを食べ終わってしまったら帰らなければならない気がして、手を付けるのを躊躇した。緊張から来る咽の渇きを潤すためにお茶だけは飲んだが。

実に10分。ボクが彼の寝顔を見つめていた時間だ。その間、ボクの心臓は今までにないほどの激務をこなしていた。この世のすべての音は遥か遠くに聞こえ、彼以外の映像には靄が掛かっていた。その時だ。ボクがあの不思議な感覚を覚えたのは。

ヘソの下、パンツのゴムの跡が薄く残る辺りに、何か温かいものが溜まるような感覚。少しむず痒く、少し気持ちがいい。それまでの緊張が嘘のように、ボクはとてもリラックスしていた。そして落ち着いたその心は、それが当然のことであるかのように暴走をした。落ち着いているのに暴走とは自分でも変だと思う。しかし他に言葉が思い浮かばない。ボクは彼にキスをしていた。

それからも彼とは友達として7年の付き合いを持ったが、進路が分かれたことで自然と交友はなくなった。今も彼の所在は知れない。その後も同じような経験はあったが、どれもあの時の感覚には及ばなかった。その後、ボクは様々な遍歴を経たが、それについて触れることにさして意味はないので省くことにする。

そして運命の日は訪れた。その日は雨でグラウンドが使えなかったので、野球チームのメンバーと映画を観ることにした。映画が初めてだという者もいたので、名作との評判を聞いていた「ウエスト・サイド物語」を観ることにした。椅子に腰掛け数分が経った頃、ボクは雷が映画館に落ち、ボクの全身をも貫いたのだと錯覚した。

冒頭にも記した父の教え「自分に正直であることが成功の鍵だ」という言葉と、この映画から受けた衝撃をボクは行動に移した。ボクはファーストキスの思い出も鮮明な彼と同じ、見目麗しい男の子を探し求めたのだ。

ボクの趣味を非難する者も少なくないが、今では大勢の人間がボクを、そしてボクの子供達を愛してくれている。日本のショウビズ界を支えるボクだが、皆が親愛の情を込めてニックネームで呼んでくれる。ボクは皆に愛され、皆を愛している。

そうだ、良いことを思いついた。せっかくここまで読んでくれたんだ。ユーもボクの事務所に入っちゃいなよ。ユーも来ちゃいなよ。

例によって

長文は推敲無し。あー、こんな時間だー。

せっかくなんでこのまま蟲師。あとワンダが欲しいけどサイフに人面が見当たりません。

ワンダ

ワンダと巨像

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  1. 2005/10/30(日) 03:32:08|
  2. note
  3. | コメント:4

コメント

マジですか。よーし黒尽くめの不思議キャラでイっちゃうぞー。/ ユーも?ボクもだよ。
  1. 2005/10/31(月) 23:47:54 |
  2. URL |
  3. bisco #al/HeSp6
  4. [ 編集 ]

今日のHEY×3はジャニーさん特集でした。biscoさんまるで予知能力者みたいですね。予言者アイドルとしてYOUも事務所に来ちゃいなよ!
笑い男・・・だめだ・・・攻殻機動隊しか思い出さない・・・。
  1. 2005/10/31(月) 22:02:10 |
  2. URL |
  3. レキ #-
  4. [ 編集 ]

ウホッ。たしかにこんな時間だからこそ書けたかも知れないす。普段はこんなの書こうとも思わないんですけど。/ 笑い男というと四国のあの妖怪ですね。笑い声を聞くと気分が悪くなるという。・・・ずっとミステリしか読んどらんです。
  1. 2005/10/30(日) 04:02:57 |
  2. URL |
  3. bisco #al/HeSp6
  4. [ 編集 ]

私は何年かぶりに小説書いてたらこんな時間ですよ。シンクロニシテーですか。
インスピったら勢いで書けるだけ書けるものですね。寝て起きたらだめかも。
↑中盤は、小生の最も好きな作品サリンジャーの『笑い男』を少し思わせましたが…。
  1. 2005/10/30(日) 03:51:44 |
  2. URL |
  3. 耳呈 #UYppvBwQ
  4. [ 編集 ]

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